OpenTelemetryのFaaS向けの機能とAWS Distro for OpenTelemetryの違い

言語ごとのページ。いずれもAWS X-Rayでの使用が有効になったOpenTelemetry SDKとAWS Distro for OpenTelemetry Collectorの2つの
コンポーネントが必要であり、詳細はAWS Distro for OpenTelemetry [言語]のページを見てください、となっています。

AWS Distro for OpenTelemetryについての、AWSのブログはこちら。

public preview時。

AWS Distro for OpenTelemetry now available for public preview | AWS Open Source Blog

トレーシング、メトリクスのGA時。

AWS Distro for OpenTelemetry is now generally available for metrics | AWS Open Source Blog

AWS Distro for OpenTelemetry is now GA for tracing | AWS Open Source Blog

AWS Distro for OpenTelemetry、略してADOTは、OpenTelemetryのコンポーネントを使ってアプリケーションの計測ができるように
するためのものです。トレースデータやメトリクスデータなどのテレメトリーデータの収集などを自動で行えるようにし、
手動実装による収集の必要性を軽減するとされています。

AWS Distro for OpenTelemetry（ADOT）は、以下のサービスと統合できるようです。

Amazon ECS
Amazon EKS
Amazon EC2
AWS Fargate
AWS Lambda
AWS AppRunner

また、提供される機能などはこのような感じのようです。

トレースデータ … AWS X-RayやNewRelic、Dynatrace、Datadogなどに送信可能
メトリクスデータ … AWS X-Ray、Amazon CloudWatch、Amazon Managed Service for Prometheusなどに送信可能
AWS Distro for OpenTelemetry（ADOT）が提供するOpenTelemetry Collectorもある

端的に言うとOpenTelemetry SDKを使って、AWSのマネージドサービスやその他にテレメトリーデータを送信できるようにする
仕組みのようですね。

AWS Distro for OpenTelemetry（ADOT）は独立したWebサイトがあります。

AWS Distro for OpenTelemetry

ドキュメントはこちら。

Introduction | AWS Distro for OpenTelemetry

読んでいくと、AWS X-Ray用のInstrumentalをインストールしたり、AWS X-Rayにテレメトリーデータを送信する際には
ADOT用のCollectorを導入する必要がありそうなど、固有のことはいろいろあるようです。

とはいえ、今回扱うOpenTelemetryコミュニティの提供するInstrumentationやCollectorと、AWS Distro for OpenTelemetry（ADOT）は
別の話だということを忘れてはいけないわけですが。

OpenTelemetryのFaaS向けの機能を振り返る

話を、OpenTelemetryのみに戻しましょう。少し同じ内容を振り返ります。

自動Instrumentationを使う場合は、OpenTelemetryコミュニティの提供するLambdaレイヤーを使えばよさそうです。

Lambda Auto-Instrumentation | OpenTelemetry

このLambdaレイヤーのソースコードのあるGitHub リポジトリーは、こちらです。

GitHub - open-telemetry/opentelemetry-lambda: Create your own Lambda Layer in each OTel language using this starter code. Add the Lambda Layer to your Lamdba Function to get tracing with OpenTelemetry.

Lambdaレイヤーを使えない場合は、手動Instrumentationを使うわけですね。

Lambda Manual Instrumentation | OpenTelemetry

同じようなことが、JavaScriptのInstrumentationにも書いてあります。

Serverless | OpenTelemetry

Lambdaレイヤーが使える場合は自動Instrumentationを

Serverless / AWS Lambda

そうでない場合はラッパー相当のコードを書くことになり、組み込む際には環境変数NODE_OPTIONSと-r（--require）オプションで
作成したラッパースクリプトを指定します。

Serverless / AWS Lambda / AWS Lambda wrapper code

そして、AWS Distro for OpenTelemetry（ADOT）とはまた別に、OpenTelemetryコミュニティが提供するLambdaレイヤーと
OpenTelemetry Collectorを組み合わせるということもできます。

Lambda Collector Configuration | OpenTelemetry

OpenTelemetryのFaaS向けの機能をLocalStackで使うと…

このタイトル通り、LocalStack上で試してみたのですがOpenTelemetryのFaaS向けの機能はドキュメントの例（手動Instrumentation）では
動作せず（テレメトリーデータがCollectorに記録されず）、NodeTracerProviderを使って書かれていたのでNodeSDKに変えてみたら
いいのかなとも思って試してみたのですが。

NodeSDKに変更すると、テレメトリーデータはCollectorに記録されるのですが、今度はトレーシングデータとしてつながらなくなり…
という結果になったので、今回は諦めました。

試してみた時のOpenTelemetry Instrumentationライブラリーのバージョンはこちらです。

  "dependencies": {
    "@opentelemetry/api": "^1.6.0",
    "@opentelemetry/auto-instrumentations-node": "^0.39.4",
    "@opentelemetry/exporter-trace-otlp-http": "^0.44.0",
    "@opentelemetry/instrumentation": "^0.44.0",
    "@opentelemetry/sdk-node": "^0.44.0",
    "@opentelemetry/sdk-trace-base": "^1.17.1",
    "@opentelemetry/sdk-trace-node": "^1.17.1"
  },

LocalStackのバージョン。

$ python3 -V
Python 3.10.12


$ localstack --version
2.3.2

おわりに

今回はここまでです。

ちょっと時間が経ったら、また試してみようかなと思います。

CLOVER🍀

That was when it all began.

OpenTelemetryのFaaS向けの機能とAWS Distro for OpenTelemetryの違い

これは、なにをしたくて書いたもの？

OpenTelemetryとFaaS

AWS Distro for OpenTelemetry

OpenTelemetryのFaaS向けの機能を振り返る

OpenTelemetryのFaaS向けの機能をLocalStackで使うと…

おわりに